幌上空秋
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岩老上空初夏 別苅上空初冬
増毛山道再生 平成28年10月16日、再生に取り組み始めて10年が経過しようとするこの日に、全33kmの増毛山道は、160年前の開鑿時の姿をようやく顕してくれました。 「自然は子孫からの借り物」という先住民の敬虔な言葉があります。アイヌの人たちが愛した「北加伊道(ホッカイドウ)」に、蝦夷地の深い笹道の姿を何時までも遺してあげたいものです。 全線開通を果たし、国土地理院地図にもルートが再び甦り、今後は増毛山道を辿る人が増える事が予想されます。安全対策のため、番号標識の整備、別苅、岩尾、幌の各起点に案内板の設置推進。しかし、山道は多くの林道と複雑に交差し、 標識があっても初めての方は迷います。私どもの会が旅行業者と提携するガイド付きトレに参加し、ルートと160年の歴史遺産を体感しなければ、この山道が「只のやまみち」となってしまう事を大いに懸念致します。 北海道山岳ガイド協会(HMGA)に協力頂き、ガイド養成講座を開催し、私達がご案内できない方達も、HMGA開催のツアーに参加することで歴史が学べます。 山道のガイド教本を作成し、掲載してあります。トレ前に一度目を通して頂くことで、この道沿いに遺されている、近世の土木遺産、近代化に汗した騎兵、過酷な修学旅行、紀行文、駅逓等の歴史が、トレッカーの皆様の好奇心をかきたてます。 全通により山道の整備延長も伸び、かつ標高も1200m箇所を含み、毎年の整備に手が回らない状況が増えつつあります。特に団体で活動される山岳関係の皆様には、ご協力のほどをよろしくお願い申し上げます。 2018(平成30)年度は北海道命名150年のめぐりあわせが背を押してくれて、多くの賞を頂くことができました。 1.国土地理院「測量の日」功労者表彰(局長表彰) 2.増毛山道と濃昼山道「北海道遺産」選定(北海道遺産協議会) 3.国土交通省「手づくり故郷(ふるさと)賞」認定(国土交通大臣表彰) 4.北海道地域文化選奨特別賞(北海道知事表彰) 特に、北海道遺産に認定さて、蝦夷地と呼ばれた頃から近代明治までの歴史遺産の、復元と活用が評価されたことは、大きな励みになりました。 この貴重な増毛山道を良質な状態で後世に遺すために、皆様に会員としてご協力頂けますよう心よりお願い申し上げます。 増毛山道を辿り、フイトンチッドを胸いっぱいに吸う森林浴を楽しんで頂き、「北加伊道(ホッカイドウ)」開拓の先達が厳しい環境の下、家族と共に逞しく暮らしていた、地域のなりわいや歴史をどうぞ体感下さい。
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